知識を詰め込むだけの
勉強は時代遅れ

みなさん、英数学館小学校校長の永留です。
これから、本校がどのような考え方で
教育を行っているのか、
みなさんにどんな風に成長してほしいと
思っているのかについてお話しします。
少し長くて難しい話もありますが、
保護者のみなさまにも
ぜひ本校の小学校教育について
知っていただきたい内容をお伝えします。

知識を詰め込むだけの
勉強は時代遅れ

社会的にも大きな問題となった大学入学共通テストの導入については様々な議論がありました。
最終的には、従来のセンター試験に近い形での実施ということになりましたが、
この話の背景には、これまでの知識偏重型の教育では、目まぐるしく変化する社会において、
新しい価値を創造できる人材を育成できないという危機感があるのです。

国はこれからの時代を生き抜く
資質・能力として学力の3要素を定め、
学校教育の大きな改革を進めています。

1. 知識・技能2. 思考力・判断力・表現力 3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

これに伴って、高等学校での学びはもちろん、大学入学選抜においても
学力の3要素を多面的・総合的に評価する試験を積極的に行う動きが拡大しています。
これは「偏差値」に縛られていた価値観が揺らぎ、
「多様化」が加速しているという証拠ではないでしょうか。

多様化する価値観と幸せの形

学校の勉強では、正解が1つしかない問題が多いですよね。しかし、現実の社会ではどうでしょうか。
人によって正解や成功の捉え方が異なることが沢山あります。
さらに、少し前までの日本の教育は全員が同じ内容を学び、
考え方や価値観ですら画一化されるような学びでした。
しかし、現在では「多様化」の中でこそ新たな価値が生まれると言われています。

私たちが一人で出来ることには限界があります。
そのため、誰かを支え、あるいは誰かに支えられ助け合いながら生きていくことが重要だと思います。
学校でも、自ら問題を発見し、他の人と協力して解決方法を見つけることがとても大切だと思います。
その過程では自分とは異なる意見や価値観と衝突することもあると思いますが、
それこそが生きた学びであり、多様化する社会で求められる資質や能力につながるのです。

また、皆さん自身も偏差値というものさしだけで「良い大学」かどうかを計るのではなく、
自分にとってどのような価値があるのかを見定めた上で大学に進学してほしいと思っています。
その中で、より多くの人と出会い、協力しながら様々なことにチャレンジし、
あなたなりの「成功」や「幸せの形」を見つけ出してください。

私が考える「大切なこと」が5つあります。

1. あなただけの武器を見つけること

みなさんはどんなことが好きですか。得意なことや不得意なことは何ですか。
そして、あなただけの武器は何ですか。と言われても難しいですよね。
しかし、自分自身のことを理解し、その上で自分だけの武器を身につければ、
あなたが将来立つ場所や、見えてくる景色も変わってきます。
ゆえに、日ごろから自分自身と向き合い「好き」や「得意」を探し続けてください。

2. あなたの「ワクワク」を知ること

「好きだから得意になった」あるいは「上手にできて褒められたから好きになった」
という経験はありませんか。
このような経験を通して自分の「好き」や「得意」を
意識したことがあると思います。
しかし、私が最も重要だと思うことは「ワクワク」を
知ることだと思います。
この感情はあなた自身を突き動かすエネルギーとなり、
あなた自身をイキイキとさせてくれると思います。

3. 自ら考えて行動すること

みなさんは家に帰ったら何をしますか。おやつ、勉強、ゲーム、昼寝ですか。
もしかすると保護者の方に全て決められている人もいませんか。
日々の生活の中で小さな決断もあれば、人生を左右する大きな決断もあるでしょう。
そういった経験の中で、自分の人生のハンドルを握って、
思い通りに生きていくための決断力や行動力を身につけることが必要です。
時には回り道をする決断も
必要なことがあると思いますが、
今、何をするのかを自分で考え行動していくことが
あなたの人生を切り拓くためにとても大切です。

4. 世界中に仲間をもつこと

日本では食料や日用品などが溢れかえり、とても豊かな国に見えますが、
はたして本当の意味で豊かだと言えるのでしょうか。
原材料をはじめ、加工や組み立てなども海外に依存していることが多く、
少しでも歯車がかみ合わなければ、大騒ぎなってしまいます。
そのため、国はもちろん地方自治体でも
国際的な交流や支援が積極的に行われています。
1つの国や個人だけで物事を解決することが
難しくなった現在の社会において、世界中に仲間をもち、
お互いの多様な文化や個性を
認め合い協力することが大切だと思います。
そして、これからの社会を担うことになるみなさんには、
できるだけ早い時期から世界に目を向けて、
より多くの仲間をもってほしいと思います。

5. 学び方をしること

学校で勉強するときには教科書があり、「学ぶべき内容」が書いてあります。
しかし、絶えず変化する社会では、教科書もなければ、
正解もない状況で目の前の問題に立ち向かう必要があります。
その時に「学ぶべき内容」だけを詰め込んできた人は対応できるでしょうか。
未知の問題に対しては、自分の知識や経験を総動員して取り組むと思いますが、
小さいころから「学び方」を学んできた人は、
どのような状況においても不足した要素を補うために何が必要かを考え、
学びながら突き進んでいくことができるはずです。

誰かが描いた人生を生きるのではなく、
常識に囚われることなく、
自分の人生を「主体的」に生きて欲しい。

あなただけの「好き」×「得意」を武器に、
あなただけの人生のハンドルをしっかりと握り、
世界中のユニークな個性とつながり、
未知の世界を切り拓いて欲しい。

英数学館は世界に生きる
「あなただけの武器」を手に入れる学校です。
みなさんとお会いできる日を、ここで待っています。

学校法人 広島加計学園英数学館小学校 校長 永留 聡

英数学館は子どもの
「楽しく」「幸せな」人生の
土台作りのための学校

2023年4月より中学、高校の校長を務めます、
土屋俊之と申します。
ここでは、私が考える
「世の中(社会)における英数学館の存在理由」を
お伝えしたいと思います。
少し長くなりますが、
どうか、最後までお読みください。

英数学館は子どもの「楽しく」「幸せな」人生の
土台作りのための学校

本校は国際バカロレア認定校であり、ユネスコスクールであり、
学園には20名を超える外国人の先生がいたり、
授業に優先して学校外の活動に参加できたり・・・と、
人口約46万人の中堅地方都市に在る学校としては、
かなり特徴的(ユニーク)な学校だと思います。
ただ、これらはすべて「手段」です。「目的」ではありません。
よりシンプルに本校の目指す理想の学校像を一文にいたしますと、

「生涯を通じて真に『楽しく』『幸せな』人生を歩む土台作りのための学校」

といった表現になりますでしょうか。
さらに申せば、頭に「いかなる時代が到来しようとも」との言葉を付記したいとも思います。
大きく出たな、とお感じになる方がおられるかもしれませんが、そうです。
私たちの目標(野望)は実に大きなものです。

人生では、個人の意思ではどうにもならない苦難や災難が次々と私たちに降り掛かってきます。
事実、世界は東西南北を見回しても、目を覆いたくなるような事象が頻発しています。
それでも、子どもたちの人生は続いていく・・・そんな当たり前の避けられない事実を「前提」
と認識した上でなお、一度きりの人生を自分自身にとって納得感に満ちたものにして欲しい。
それが世の中のすべての親御様の願いであり、
教職員の願いでもあると思うのです。

「好き」×「得意」 ジブンだけの
「道」と出会う確率を高める

運、不運によって人生を左右されることはあると思います。
前述のように、個人がコントロールできないレベルのことが人生では度々起こります。
そのような時、物事の捉え方、見方など、心の動きを肯定的な方向に調整することで、
状況を好転させることができるかもかもしれません(ポジティブシンキングなどが一例)。
しかし、心の向きを整えるスキルの獲得は極めて緻密でかつ専門的な領域の研究実践であり、
小規模校とはいえ、本校のようなマス教育をベースとした教育機関において
一律に実施するにはやや難しい面があります。
よって、本校は、個々人の性格や個性(先天的な性質を含む)の違いを
良い意味で必要以上に意識せず、生徒の「好き」と「得意」を軸にした、
体験的な学び(『遊び』の感覚に近い)を重視したアプローチで、
単なる「運」まかせではない、
ジブンだけの「道」と出会う確率を
限りなく高める仕組みを実装すべく、試行錯誤し続けています。

「好き」×「得意」 世界に生きる、「ジブンだけの武器」を手に入れる

これが、英数学館の建学の理念を現代風に解釈した、
現在の私たちの教育目標です。

私たち教職員は、生徒の内在する力を「引き出す」ことの1点に集中しています。
授業、行事、部活動、休み時間の何気ない雑談の時間など、すべてにおいてです。
生徒が何かに対して「◯◯をやりたい」という
「好き」(「欲」とも言い換えられます)をほんの僅かでも見せる瞬間を
決して見逃さないようにします。

実例を挙げますと、昨年あるクラスの生徒が突然
「潜水士って仕事が気になる」と発言した瞬間を、
担任は見逃さず、彼の「潜水士」という興味関心や欲の波が収まる前に、
プロの潜水士に会いに行くというリアルな体験につなげていました。
彼の欲と現役の潜水士との出会いが「スパーク(化学反応)」し、
内在するエネルギーが引き出された瞬間でした。

生徒の内なる力を引き出す過程は、「もぐらたたきゲーム」に似ています。
生徒の「好き(欲)」というモグラが突然顔を出す瞬間を逃さず、スパークさせる、
これが英数学館の教職員に常日頃から求めている姿勢です。
やり方はとてもシンプルで、
教員は「◯年◯組の〇〇さんのモグラ発見!」と周囲に大騒ぎするだけです。
そうすると、本校には外国人教員も含め、
多様なバックグラウンドを有する教職員がいるので、
「ああ、私の知り合いを紹介するよ」と伝手が見つかるわけです。
もちろんネットで探すのもOKですし、
本校の強力な卒業生ネットワーク
(福山市内はもとより、世界中で活躍されてます)も活用できます。

さらに学内には「探究委員会」という
生徒のキャリア形成を専門的にバックアップするチームも組織されています。
自身が憧れてやまない、「人生のモデル」との出会いの手助けをすることも
現代の学校の重要な役割の一つだと考えます。

特別な「好き」がなくても、英数学館には「桃」がある!

子どもたちの中には、そもそも「◯◯したい」という欲自体が常に低いレベルで、
何に対しても興味・関心が乏しく、海に例えると「凪」の状態である者も少なくなりません。本校では、このような生徒には「桃」を食べてもらいます。
え?「桃」?確かに福山市は隣県の岡山と同様、知られざる桃の名産地ですが、
ここでお伝えする「桃」は意味合いが異なります。

「桃」とは、学校の内外で実施される
さまざまなシンポジウム、ワークショップ、各種体験イベントに自らの意思で参加し、
興味・関心の幅を広げる機会のこと
を指す学内用語です。

英数学館では年がら年中、ひたすらに「桃」を「どんぶらこ〜」と生徒たちに流し続けます。
眼の前を通過する桃をGET!するか否かは、生徒次第です。
人生は一期一会。
眼の前に流れる桃を手にする(=「挑」む)勇気ある行動が、

いかに人生を変えるきっかけとなり得るのかを十代のうちに知っておいて欲しいのです。
3年間、6年間、12年間の英数学館で過ごす日々の中でこれを繰り返すことで、
子どもたちはどのような瞬間に自分が喜びや幸せを感じるのかを
体験的に知るようになります。
要は「価値観」に対して自覚的になるということです。
自身の幸せの「ツボ」を心得た者は強いです。
どのような「つまらない」局面も、
自分の工夫と行動次第で「楽しい!」に変換できると(半ば無根拠に)
信じられる心の軸が備わっているので、時代や社会など、
外的環境の変化にしなやかに対応しているように見受けられます。

「教室」「時間割」の定義を変える

また、私たちは、既存の学校教育の学びに囚われない学びを目指すことをお約束します。
私たちは現代を生きる子どもたちが必要な学びのすべてを
学校が提供できるなどとは露ほども思っていません。

学校は子どもたちにとって、「HOME」であれば良いと考えています。

「教室=社会(世の中)」と再定義することで、
本校の生徒は授業時間内においても、
必要であれば「探究公欠」の制度を使い、
欠席になることなく、学外での学びを享受できます。

たっぷりと学んだあと、気のおけない仲間のいる英数学館という「HOME」に戻り、
自身が学び得たことを仲間と共有する。

本校の其処此処でこの現象が繰り返されることで、
生徒たちは数限りない多様な刺激を受け、世界や社会の広さを知り、
自分の人生の活躍のステージとなり得る場が
無限に広がっていることを当たり前のように自覚するようになるのだと期待します。

さいごに

AIやChatGPTに代表されるようなテクノロジーの急速な進化がめざましい時代において、
「学校」が子どもたちにとって、
より一層重要な存在になり得ると私たちは信じています。
本校は広島県福山市という地方都市にひっそりと存在する小さな学校ですが、
世の中とシームレスにつながった広大な「教室」を持つ学び舎として、
広く社会に貢献できる存在になれますよう、
私たちも鋭意、教育を探究し、学校そのものを「再定義」し続けて参ります。

どうぞ、いつでもお気軽に本校をお訪ねください。
まだまだ発展途上の私たちではありますが、
皆さまと教育や社会、そして子どもたちの
今と未来について語り合えますこと、
心より楽しみにいたしております。

学校法人 広島加計学園英数学館中・高等学校 校長 土屋 俊之

Schools

英数学館小・中・高等学校は「小中高一貫プログラム」はもちろん、「中高一貫プログラム」や「高等学校のプログラム」もご用意しています。中学校や高等学校からの入学も可能です。

小学校 Elementary School

小学校

ElementarySchool

イマージョンクラス

英語イマージョン・プログラムと国際バカロレアの教育プログラムを実践しています。自然と英語力を伸ばし、教科横断型や探究型の学びを通して、主体的・対話的な深い学びを実現することで、問題解決等の資質・能力を高め、将来世界で活躍できる児童を育てます。

中学校 Junior Highschool

中学校

JuniorHigh School

イマージョンクラスA

小学校から英語を学習してきた生徒、または帰国子女など早期から英語を本格的に学んできた生徒が対象となるクラスです。英語・数学・理科・社会・美術については外国人教員が担当し、英語で授業を受けます。

イマージョンクラスB

中学校から新たに英語を学び、極めたい生徒が対象となるクラスです。第2言語習得の理論に基づいた授業と日英バイリンガル教員のサポートで英語初心者でも英語力を短期間で着実に伸ばすことが期待できます。

小学校 Highschool

高等学校

Senior
High School

アドバンストクラス

自分だけの「好き」や「ワクワク」を軸に、企業や大学など「実社会との連携」による探究型の学びを追求し、新時代を主体的に生き抜く人材の輩出を目指します。また、総合型選抜入試への圧倒的な優位性を生かし、国内難関大学を含めた第一志望の進路を実現します。

IBクラス

多様な文化を尊重し、国内外で活躍する人材を育成することを目標とし、これからの社会の中で問題意識を持ち、解決するための「考える力」や「協働する意欲」を育成し、国内外の4年制大学へ進学することを目標とします。

英数学館の歩み

1980年4月に創立の原点である世界平和への思いから英数学館中学校を開校しました。そして、1982年に高等学校、1994年に小学校を開校し、国際的な視野をもち、自分の夢を探究し続けることができる児童・生徒を育成したいと考え、小中高12年一貫の教育体制を構築しています。英数学館では常に時代を見据えた教育を児童・生徒へ届けられるよう、挑戦し続けています。

  • 2007年

    子どもたちが国際社会でも活躍できるよう、中・四国地方初となる英語イマージョン・プログラムを導入。

  • 2016年

    日本では13校目、西日本では3校目となる、国際バカロレア・ワールドスクールに高等学校が認定。英語と日本語によるディプロマ・プログラムを実践。

  • 2020年

    日本では5校目となる国際バカロレアのプライマリー・イヤーズ・プログラムを小学校で実践。

英数学館へのアクセス

英数学館高小・中・高等学校

〒721-8502 広島県福山市引野町980-1(代表)TEL: 084-941-4115 FAX: 084-941-4143

交通機関

電車:JR山陽本線「大門駅」下車、徒歩西へ約15分

バス:福山駅発

2番のりばより

●中国バス 鋼管町行
深津隧道経由「英数学館前」下車

お車:福山東インターから約15分

英数学館はみなさんの学校生活に全力でコミットします。英数学館は「好き×「得意 世界に生きる「ジブンだけの武器」

を手に入れる学校です